こだわりスーパーに並ぶ野菜のほとんどは F1種(雑種) です。
形がそろい、成長が早く、収穫量も安定しているため、大量生産に適しているからです。
しかし、その一方で 「味」や「香り」、本来の栄養価 は二の次にされてきました。
本当に美味しい野菜とは何なのか? 効率優先の栽培が進む中で、私たちは改めてその問いと向き合いました。
固定種の野菜は、 何世代にもわたって受け継がれてきた伝統の種から育ちます。
その土地の気候や風土に適応し、独自の風味や栄養価を持つ、まさに「生きた野菜」です。
しかし、固定種は 収穫量が安定しにくく、形もそろいにくいため、市場の主流にはなりませんでした。
この流れの中で、固定種の野菜はショッピングセンターから姿を消しています。

それでも私たちは、あえて固定種の野菜 を育てます。
それは、この土地に根ざした野菜の 「本来の味」 を届けたいから。
固定種は、同じ品種でも 畑の環境や育て方で味が変わる という特徴があります。
だからこそ、 土づくりにこだわり、微生物の力を活かす農法 で育てることで、より深い旨みを引き出せるのです。
人は土を育て、野菜は微生物が育てる。 そう信じて、私たちは手間ひまを惜しまず、一つひとつの野菜と向き合っています。

横山ファームは、 現代の農業のあり方そのものを見直したいと考えています。
限りある資源を活用し、微生物主体の固定種に合った土づくりを実践しています。
有機農法をベースにした循環型農業こそが、これからの日本の農業のあるべき姿だと考えているからです。
形や収穫量よりも、 その土地ならではの味や香り、本当に価値のあるものを次の世代へつなぐことが大切だと考えています。
かつて当たり前だった固定種の美味しさを、今を生きる人たちに届けたい。 そして、その文化を未来へ受け継いでいきたい。
家族や大切な人と、心から「美味しい」と感じる瞬間を味わってほしい。 その想いを胸に、私たちは今日も土と向き合い、皆さんの食卓へとつなげていきます。